Blog / LEQUIO DIARY
「情景を纏う」
住んでる場所の近くにある海によく行きます。
毎日表情を変えていく海を眺めてると時間がいくらあっても足りないので近くを歩いててもサッと通り過ぎます。w
今年はカラっ梅雨なので雨が全く降らないので海が綺麗。
沖縄の情景をそのまま着る事が出来ないかな?
「情景を纏う」というコンセプトで作る作品を作りたいな。と考えていた。
簡単にプリントで作るのもできるけど、いろんな方法を試した。
個人的に好きで可愛がってもらっていた藍染の工房に染めてもらった事がある!
ヤンバルの山奥で自給自足の生活をしながら藍草の苗付けから行っていて、刈り取り、染色に使用する水は源河川から引いてきて泥藍の生成までを行っている「やまあい工房」の上山さんに試作を何度かやってもらった。
普段見る昼間の海も好きだけど、夕焼けは物思いにふけるような気持ちで見入ってしまう。
夕焼けの景色は怪しくも美しく、少し恐怖すら感じる儚い情景をそのまま着る事が出来ないか?と考えていました。
情景を切り取り、纏う事でその一瞬を心に留めておけるかな!と考えてた。
その一枚を作ってみ
沖縄ではこの夕焼けの一瞬を「アコークロー」と呼ぶ。
あの世とこの世が繋がる瞬間、死んだ魂があの世へと向かう瞬間。
幼い頃から夕焼けは昼間の明るさが夜に向かうにつれて全く違う表情に変わる。
その時間帯に外にいるのが怖かった…
一瞬にして変わる情景を止めておく思いで染めてもらった
「死を意識する事」は人生を前向きに意識していく上で、終わりを知っていると今の現状を無駄な事が無い、意味ある物として見る事ができる。あの世とこの世をつなぐ時を服に写す事にはその思いもある!
メンズのシャツ、ワンピース、ドレス…
いくつかサンプルで染めてもらった。そのあと、じゃあ商品を作りましょうか!っというところで今年上山さんが亡くなってしまったのでサンプル止まりになってしまった…
しかもこのサンプルは台風で藍草が塩害で枯れてしまった時に貴重な残りの藍草で染めてくれた。その一年は全く染める事が出来なかったくらいなのに俺の要望を聞いてくれた。
一枚のワンピースは売ってしまったけどシャツとドレスは売る事が出来ない、手放せない形見のような物です。
全ての工程を手作業で行う、藍を作る事は重労働。
染色家というよりは農家に近い。
まえのブログ懐かしさと今だからでも紹介していますが
俺も10年前に染色に触れる事がなければ進める事がなかった
いろんな事を勉強させていただきました。
僕らが企画する事でいろんなことを知るきっかけになればいいな…