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GRA_CHICの鞄

カバンを作るのは実は最近からなので毎日が生産のラインとの調整、沖縄県内でカバンを縫うことができる縫製工場はとても少ない。沖縄に縫製工場自体は幾つかあるのだが、どの工場もシャツを縫う工場。沖縄には「かりゆしウェア」というアロハシャツのようなものを縫製する工場が多い。

 

今回の企画「GRA_CHIC」は沖縄で四六時中、僕らが軍ものを触っていたことから、必然的に詳しくなったミリタリーの知識をビジネスバッグに落とし込んでいる。

ビジネスの要素にミリタリーという無骨なものを取り入れることで、大容量の鞄ということではなく、細かい細部にまでディテールが行き届いた、使用感の良い鞄を目指している。

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GRA_CHICのファーストモデルである”BULK”

「BULK」とは容積や容量などを表現する時に用いられる言葉で、大容量でありながら出張やビジネスに対応する機能性も兼ね備えたボストンブリーフケースという事でネーミングした。メインとサブの2室構造になっていて、メインには着替えなどのトラベル用品、サブ室にはPCや書類などの仕事道具を収められる機能が備わっている。

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サブ室には13inchPCがすっぽりと入るサイズ感のポケットが備わっており、両面にクッション入りなので安心して精密機械を収める事が出来る。

そのほかに書類や雑誌などを同時に入れる事が出来、長い移動の時には本体ハンドルと同素材のベルトを締める事でしっかりと固定する事が出来る。

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一般的なビジネスバッグのPCホルダーには、取り外しの容易なマジックテープやボタン留めの物が多いが、”GRA_CHIC”ではカーゴパンツなどに使用される「GIバックル」という金具にストラップを通すという方法をとった。

マジックテープと比べると正直手間のかかる作業であるが、この手間を「間」と考えて、道具を収め、一呼吸おいて、気持ちを引き締めるようにシュッと閉じるような思いを込めてあえてこの方法を採用している。(手間といっても時間にしてほんの数秒の差ですし、、、)GRA_CHICその反対側にはハンドル同素材のテープが付いていて、A5サイズの手帳やペンケース、ボールペンなどを立てて収納する事ができる

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鞄の底の部分に板と鋲を打つことで強度を保ち、自立することが可能。

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メイン室

なんでも無造作に入れられるようにシンプルな構造になっていて、小物用の仕切りポケットと、PCポケットと同じ構造のストラップがつき、ペットボトルや折り畳み傘など、長ものを収められる。(防水性の高い裏地なので水滴がついた場合は早めに拭き取って乾燥させることをオススメします。そのままにしておくとカビが発生することも、、、)

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書類とPCを入れるとこんな感じ。

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GRA_CHICファスナーは朝日ファスナーという会社が生産、企画しているプロダクトで「WALDES」(ウォルディス)というブランどのファスナーを採用ている。もともとアメリカ軍のファスナーを作っていた工場でもともとはアメリカに工場があった、いまは日本で作られている。

無骨なファスナーは黒塗りの色と形、そして微妙な引っ掛かり(ここがポイント)普通のファスナーは引っ掛かりのない、開閉が実に楽なものが一般的で、でもこのファスナーは実は開閉が微妙にしずらい、軍もののもともとのファスナーはその当時の技術がそこまで高くなかったり、アメリカ独特の大雑把さというか、逆にいまのファスナーにはない「味」がある、その味は時として、機能性を若干損なうような感じもあるのだが、でも微妙な「引っ掛かり」がこのファスナーの特徴でもある。

開閉時の「ジジジッ」という大きな音から、「道具感」がひしひしと伝わってきます。


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彼が今回の企画を担当した照喜名君

彼とは10年来の付き合いでLEQUIOに入ってからずっと裏方をやってきてくれている、今回の企画では沖縄で物を作ることの難しさと喜びを感じていると思う、毎日夜遅くまで製作をしていたり、工場との打ち合わせで遠出をして、何度も往復したりと頑張ってくれている。

彼は寡黙にひたすら物と向き合う仕事をずっとしてきている、その姿勢はなかなか容易にできる物ではない、一つの企画を作りあげ、その一つの企画のサンプルから生産までを全て見てきている、この企画で生まれた「ある意味のわがままなこだわり」には細部に至るまで彼のこだわりが詰め込まれている。

そのこだわりを作り上げるためには、自分自身だけが作れるものと他人の手を借りることで生み出される事を組み合わせる事にとても奮闘している、あまりの生地の固さから工場側に「こんなのは縫う事ができない」と言われる事をいかに押し通し、作る事が出来るか!?という課題を感じていると思う。

確かに物を作る基盤があまり整っていない場所で物を作る事はとても簡単な事ではない、断られる事なんて当たり前だし、そんなの大前提だと思う。LEQUIOをやり始めた時に俺自身もそれをたくさん経験してきました。

工場に行って生地を投入して、仕上がりを待っていても一向に仕上がって来ない、工場に問い合わせても「あんたの会社の商品は難しくてさ〜」とのほほんとした返しに困った事なんてざらにある。笑

この仕事をやり始めてから10年以上が経つ、その時に感じた焦りや感動をこの企画を通して彼は体験していると思う。でも何もないところから0から1を生み出す事は凄くパワーのいる事だと思う。でもその部分を作る事が一度でもできればとても大きな経験になるとおもっている、この鞄は一つの始まりにすぎないけれど、この始まりを一つ一つ進んで行ってもらいたいし、自分もそれを感じていた。

 

藤巻百貨店

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