Blog / 嘉数 義成(かかず よしなり)琉球藍

畑での仕事

一概に農業と言っても作物も数多あれば農法やマニュアルのように作りかた、植え方たくさんの方法があります。

経験則で判断している部分、一度やってみない事には分からない事、たくさんあります。

単純に教えてもらった事をただやる事は簡単、そのやり方で上手くいくと思います。でもなんでだろう?

単純に教えて貰うことだけに慣れていくと自分で考えることを次第にしなくなって行きます。人間は慣れていくと不思議なもので改善する手前から工夫を前提に進んでいかないと正解か不正解なのかの判断が出来なくなる。

成功する事はいい事だけど失敗をする事を学んでおく事はとても重要、あえて回り道をするという事!最短距離は分かっている。でもあえて回り道をする。通常に蔓延している情報にも常に「本当なの?」と疑問をしっかりと持つ。自分で見て経験した事は血肉になり次に進む糧となります。

畑に大きな機械を入れて貰いました。地元の業者さんです。この畑は長年放ったらかしにされていた畑を自分達で手を入れていく事を前提に借りています。しばらく人の手が入っていない場所はいろんな事が起こります。とてもとても普段は入り込まないような鬱蒼とした森に近い空気感を漂わせた林のをユンボウで土を掘り返し、その後トラクターにて土を細かく粉砕します。

慣れた様子でどんどんと作業を進めて行きます。

あっという間に200坪程度の畑を耕してしまいました。とても助かります。

でも味気ない…

その前日はハウスの中をスコップとクワを使い人力で耕していました。

大人7、8人でせいぜい50坪ほど、長年植木鉢を置かれていた防草シートを剥がし、踏み固められた地面にスコップを入れて土を起こします。

土を掘り起こし、ひっくり返してはまた掘り起こす。その連続です。ひたすらやります。長年踏み固められていることもありスコップの先が入らない。体力的にもなかなかシンドイ…

なんども力強く踏み込むことでやっと土に食い込む。単純に見えてとても力のいる動き、慣れている人、経験者なんて一人もいない。普段は全く別な仕事をしている素人集団作る畑。その道の慣れた人からしたら笑ってしまうような事をやっていると思います。完全に非効率だし、効率を考えたらまずやらないほうが良い、でもこの行程を経験することに意味があると俺は考えている。

効率化されて何でも準備された状況でただ土の中に苗を植えることで作った気になる事はできます。極端な話畑に足を踏み入れなくても畑を持っているだけで農業もやっていると言える事でしょう。形が無くとも物を想像させたり憧れを抱かせる話術や言葉を発する事が出来るのは才能だと思う。俺には全く無いだろう…

経験から発する言葉には説得力があります。

その言葉は人を動かす力になります。

簡単に機械で掘り起こした広大な敷地もいいけれど少しづつ手を掛けた場所には愛着もあります。機械で掘り返した場所よりも格段に時間が掛かる。

東京からの助っ人の二人、今回の畑仕事のために沖縄入りしてくれた。感謝

普段バイクに乗っているという彼は耕運機もすぐに扱うコツを覚えていました。何度も何度も耕運機を回して塊になった土を細かく粉砕していく。土の中に空気を入れ込むように細かくすることで根が行き渡りやすい土を作る。単純な作業ですが耕運機も軽くは無いのでずっと動かしているのはとても腕に効く!

中腰の状態で作業を続け、腰にも足にも腕にも負担がくる全身作業。終わったらクタクタ、普段の仕事には無い肉体を使った作業で爽快感もある。普段は仕事では接点があっても一日中農作業をすることなんて無い。ましてや東京でも経験出来ないことをわざわざ沖縄まで体を動かすためだけに来てくれた事にはとても感謝しています。

最近は仕事でもプライベートでも畑のことを良く話します、でも実際に見に来たり足を運んで話を聞きに来てくれる人は一握り、(片道車で2時間ほどかかる場所に畑がある)

沖縄でも小旅行するくらいの時間がかかる場所なので畑に来ることも一苦労。毎回の車の運転で行き帰りを合わせると4時間ほどかかる。

興味本位で見にくるにはなかなかハードなので来る人は何か可能性や好奇心でも何かを感じて来てくれるのだろう。普段都会で聞く話と実際に現地に足を踏み入れて現場を見て土に触れ体を動かして感じることが確実にあります。それを経験した上でやっぱり好きに慣れない、ダメだった。というのはいいことだと思う人にはタイプや向き不向きがある。

先入観やイメージだけで判断せずにまずやってみる、経験する事で改善や改良もあるし取捨選択が生まれる。予想はしていても実際に経験した事をベースに考える、簡単に「システムや近代化した機械を入れて効率的にやりましょう」言っている事は分かります、ですが前提の非効率な部分を理解しないで効率化されている事のありがたみや本当の利便性を理解する事は出来ない。

単純に藍染をした服を目の前にして、値段、トレンドだけで判断できないプロセスが「物が出来上がる裏側」にあります。

この畑をやる前に単純に染色家の方に染めてもらう事でも仕上がります、その部分的なやり取りでは見えない物事。どんどん勉強もしながら実態を調べていくとどうやら「農」の部分が重要だと分かってから畑を自ら持つことを決めた。琉球藍で染める手前で農業の仕事量がとても多い。でもそこに目線を向けて土と向き合う事で生まれる色なんだと分かった。

簡単な事では無い、すぐに出来るものでは無い、何度も失敗しました。

一朝一夕に生まれる色では無い。試行錯誤の繰り返し。徐々に形になっていく過程を経験する、また自分で作り上げていく、そのうえで見えること、感じることを大事にしていきたいと思います。

 

 

 

 

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