Blog / AINERY物を作る

弾丸のリベット

昔から考えていてやりたかった事の一つ

弾丸の空薬莢を再利用したデニムのリベット

沖縄の土地柄ですが米軍の払い下げで軍が使用していた機関銃の弾丸

単純に昔から見ていた物なだけになかなか使い道が分からない、溶かして何か別なものを作ろうかとも考えていたけれど弾丸の雷管の底部分をカットして作ったリベット。

今回AINERYというデニムのブランドのデザイナーとして関わっています。

昔専門学生の頃にデニムが好きで俄仕込みのデニムを見様見真似で作ってました、何とか形になる物のリベットなどの付属の部品が足りないため身の廻りの物で何か近しい物は無いか?と探していました。

デニムに欠かせないのが金属のカシメ、リベットと呼ばれ、もともとは分厚い生地をポケットなど加重の掛かる部分の補強として開発されたデニムには欠かせないディテールの一つ。
補強の為の金具がデニムのアイコンの一つになっています。

素材は真鍮で一発一発が形状が微妙に異なる事や精密に薬莢のお尻のとこだけを切り取るため全て一つ一つ手作業でしか作れません。しかも通常のリベットの打ち機では打つ事が出来ないため一点一点これも手作業でデニムに付けていくしかないためそとても時間がかかります。

 

プロトの時には一点一点手打ちで作っていた。

トントン

トントン

既存の製品にはないオリジナルの形状になっているのでリベットを打ち込むための機材がこの世に存在しなかったのでうちぐ、台、補強のペンチも全て改造して制作。

この為に作った専用の打ち具を使用しないと付けられないのでとてもコツがいります。
何度も試行錯誤のためにカットして内部の構造や打ち込む為の圧力など形にするためにクリアする問題がありました。

実際に打ち込んでも使っているうちに取れないように何度も繰り返し試験してようやく形になりました。

専用の打ち具を使い、打ち込むための道具も鉄筋工の工場で夜中まで試行錯誤しながら職人が作ってくれました。

 

 

この春からデニムの販売に先駆けて現在生産中。

実際に作って見たものの全てを手作業で打つ事は難しいのでデニム工場に掛け合いなんとか取り付けられるようになったのでこれから岡山のデニム工場に渡ります。

出来上がるまでは「へ〜〜〜」と言うくらいなリアクションで何気なく話していた事も、形が出来てくると反応が変わると言う事も沢山あります。

実際に作る時には出来るかどうかは半信半疑、それよりも「作って見よう」「こんな事考えているので作って見てもらえませんか?」といろんなところに掛け合い実際にやってみるといろんな問題はありますが一つ一つをクリアして何とか形にし、さらにマイナーチェンジを繰り返す、それの連続です。

カッコつけて言えば「飽くなき探求」でもそんなことよりも「しつこさ」の方が合ってる気がします。出来るまで食らいつく。

作る前に沖縄から持ち出す時には空港の持ち物検査で止められて「持ち込み出来ないものなので預かります」「捨ててください」など言われ沖縄から持ち出すのが弾丸の形状だと難しかった。

生産に伴い大量のリベットを仕込むため鉄工所に通う、「平和への願いの象徴」と軽く言うには重い歴史背景を持った沖縄から発信されるデニム。

ただ単純に今なお残る「負の遺産」として軍モノや軍事品を見る事よりも何か再度利用する事で今の生活に当てはまる物へと形を変えることで伝わるメッセージや一つの歴史や物事を調べたり知るきっかけになればと思います。

あくまでも人が使うもの

あくまでも日用品になるように…

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